🧳介護福祉士試験(認知症の理解⑫)
🧠ここだけは抑えとけ|“その人の言動には、必ず理由がある”
〜 帰宅願望・拒否・暴言などへの実践対応 編 〜
✏️「困った行動」って、ほんまに困ってるんは誰?
認知症のある方が、
「帰る!」「やめて!」って言うたり、
ふいに怒ったり、どこかへ行こうとしたり――
介護の現場では、そんな“困った場面”にしょっちゅう出会う。
けどな、それって「本人の中では自然な行動」やったりする。
“なんでそんな言動になるのか”
そこにちゃんと目を向けられるかどうかが、ケアの分かれ道やで。
📘こんなとき、どう考える?どう動く?
🧭「帰る!家に帰らせて!」と言い出したら?
- ➡ 原因:環境の変化、不安感、夕方症候群(せんたく症候群)
- 💡対応:
・「◯◯さんのご自宅のこと、大事に思ってるんですね」など共感の言葉
・一緒に写真を見る/散歩に出る→気分を切り替える
・時間が経つと忘れることも多いので、無理に否定せんでOK!
🚪「入浴イヤ!」「ご飯いらん!」と拒否されたら?
- ➡ 原因:不快感、意味が理解できていない、疲労・体調不良
- 💡対応:
・「ご飯の時間やで」ではなく「これ、一緒に食べよっか?」など自然な声かけ
・拒否が続いたら時間を置く or 別の人が対応してみる
・手順を一つずつ示して、安心してもらう
🗯「うるさい!」「死ね!」など暴言が出たら?
- ➡ 原因:ストレス、混乱、体調不良、感覚過敏
- 💡対応:
・真正面から受け取らず「今日は調子が悪いんかな…」とまず落ち着く
・声のトーンを落とし、ゆっくり話す
・「嫌な思いさせてごめんな、少し休もうか」と距離をとる
🚶「どこ行ったん!?」と迷子になったら?
- ➡ 原因:目的がある・探索欲求・習慣の再現
- 💡対応:
・外出前の声かけ・玄関に注意喚起
・GPS・見守りシールなどの活用
・帰ってきたときには怒らず「おかえりなさい、無事でよかったね」と声かける
🎞ジブリ風に言うなら?
映画『となりのトトロ』で、
メイちゃんが「おかあさんに会いたい」って走り出したシーン――
あれって子ども心では自然な行動やけど、
大人から見たら「どこ行くの!?危ない!」ってなるやろ?
認知症の人の行動も、“本人なりの理由”がちゃんとある。
こっちの都合で止めるんやなくて、**“気持ちに寄り添う”**のがポイントやで。
💡現場で活かせる小ワザ
- 「今、何を思ってはるんやろ?」を考えるクセを持つ
- 否定せず、まずは共感(いったん受け止めてから対応)
- 自分が疲れてるときは、チームで交代・休憩も大事!
- 記録に「そのときの言葉・表情・前後の様子」を書いて次に活かす
🧠試験で出るポイント!
行動 | ケアの考え方・対応例 |
---|---|
帰宅願望 | 否定せず気分転換をはかる/共感を大切に |
拒否(食事・入浴) | 声かけを工夫/時間や人を変えて再チャレンジ |
暴言・暴力 | 距離をとる/本人の気持ちの背景を考える |
徘徊・迷子 | 事前の予防/見守り体制の整備/感情的に怒らない |
🎯今日のキーワードは?
📌**「行動の裏に、心の声あり」**
困った言動の奥には、言葉にならへん気持ちがあるんや。
その声をキャッチできる介護士が、ほんまの“プロ”やで。
📚おさらいクイズ(選択式)
Q. 帰宅願望が強い利用者への対応として、最も適切なのはどれ?
A. 「ここがあなたの家ですよ」と何度も説明する
B. ドアをロックして外出できないようにする
C. 気分転換をはかり、不安を軽減する
D. 帰りたい気持ちを無視して、日課を進める